トップページ > Ambitious > 【ナンパから世界へ・TEDxHokkaidoU】

【ナンパから世界へ・TEDxHokkaidoU】

夜11時53分。

バイトで大粗相したことを引きずりながら、スマホをいじりつつ、ちかほを歩く。

「モス一緒に行きませんか!」
突然声が掛けられた。
ベレー帽、マスク、黒縁眼鏡(しかも杖をついている)という、如何にも、という感じの「the・怪しい人」が、私の顔を覗き込む。

「僕がどうして杖ついてるのか分かります?」
「……。」(私は無言かつ愛想笑いで相手を観察する)
「僕、骨折してたんですよ!それでやっと退院して外の世界に出れて嬉しいんです!嬉しくて嬉しくて!」
「は、はぁ。」(あっそう。)
「なんなら、銀だこ行きましょう!」(はぁ?)
「なんなら、ファジーネーブルでも飲みましょうよ!」(は、はぁ?)
モスが食べたかった筈なのに、選択肢がドンドン変わる。

なんなんだこいつ。
この人よっぽどのファジーネーブル好きらしい。後はひたすらファジーネーブルで攻めてくる。
(因みに私の好きなお酒は梅酒である。オジサン残念)

「そういえば!名前!名前教えて下さいよ」
こんな怪しいヤツに誰が教えるかよ、面倒な事に巻き込まれたら堪らんし、と愛想笑いでスルーし、偽名でも使うかと考えていたら
「じゃぁ、僕当てます!」とか何とか調子のいいことを言ってくる。

ちょっと愉快な気分になった事もあり、10回で名前当てたらファジーネーブルに付き合うから、と家路までの暇潰しの話相手になってもらおうと提案した。(勿論当たるわけがあるまいと踏んで。)

名前の最初の一文字とかとかヒントをちょいちょい与えつつ、札駅を出る。

しかしなんということか!
私の元来のお節介な性格が災いして、

「アスカさんだ!あぁ、なんで僕は気付かなかったんだ!あすかちゃん!あすかちゃん!」

「……。」(一瞬悪寒が走る。これは外の気温だけが原因じゃあるまい。)
頭を抱えつつも、ここで引いたら女が廃ると覚悟を決めた(あぁ、勉強して早寝する予定やったんに…)。

 

About asuka

人生とはチョコレートの箱の中からチョコレートを選ぶ作業に似ている。