北海道大学法学部が毎年、作成しているパンフレットをめぐって法学部生を中心に不満が噴出している。外見や授業態度から「都合の悪い」学生を意図的に排除した写真を掲載するなど、内容面で課題は多い。(永津篤史)
法学部のホームページで閲覧することができる25年度版のデジタルパンフレットは、23ページで構成されており、法学部のキャンパスや授業カリキュラムの紹介、在学生へのインタビューなど法学部に関する幅広い内容が掲載されている。一見すると何の問題もないように思えるパンフレットだが、掲載写真の撮影現場に立ち会ったという学生は「自身が所属するゼミ中に写真撮影がありましたが、見事に私だけが写らないように写真を切り取られました」と訴える。学生は過去に法学部の事務室と、窓口対応を巡って何度か口論になった経験があるといい、奨学金や履修状況などの個人的な事情を友人らといる時にわざと質問されたり、所属するサークルの助成金申請をめぐり事務室側から高圧的な態度を取られたこともあった。

またある学生は過去に事務室側とトラブルがあったとは思わないとしながらも、「パンフレットでは、作成過程で外見や身なりが良い学生のみを選定して掲載しているように感じました。特に人権や公平性を重視すべき法学部のパンフレットである以上、いき過ぎたルッキズムは控えるべきだと考えます」と語気を強めた。
問題があるのは、パンフレットの作成過程だけではない。特定の学生のみを取り上げる記載内容についても不満の声があがっている。法学研究科で学ぶ大学院生は「法学部に在籍する学生の中でも、真に優れた学生を公募した上でパンフレットを作成すべき」として、事務室側よる恣意的な人選に警鐘を鳴らした。なお、法学部パンフレットについて、事務室側に質問状を送付したが期日までに回答はなかった。
●追伸=令和7年3月17日付で、北大法学部の担当教官より、法学部パンフレット問題について「学生投書箱への投書」として取り扱う旨、連絡がありました。法学部からのさらなる連絡がありましたら、本記事にて続報を出します。