1894年(明治27年)、経済的に余裕がなかった子供たちに対し、無料で教育を行うことを目的として、新渡戸稲造により札幌の地に「遠友夜学校」が設立されました。
それからおよそ1世紀の時を経て、現代の遠友夜学校とも呼べるプロジェクトが始動しました。
その名も「寺子屋恵迪」
恵迪寮に暮らす北大生が地域の子供たちに対し、無償で学習支援を行っています。
恵迪寮生を動かす原動力は何なのか?そして彼らの目指すゴールとは?
寺子屋恵迪代表の伊藤さんにお話を聞いてきました!!
「寺子屋恵迪」とは…??
恵迪寮で2020年に設立された「寺子屋特別委員会」が運営している活動。北大生による無料の学習サポートを行っています。主な活動としては個別の学習支援、「てらさぽ on ZOOM」(毎週水曜日18-20時)があり、基本的にどなたでも利用できます!!
>>>詳しく知りたい方はぜひこちらをクリック!!(寺子屋恵迪のホームページにアクセスできます)
恩返しとして出来ること
ーそもそもなぜこのような活動を?
立ち上げた理由はかなり複雑ですが・・・
端的に言えば、「恵迪寮はヤバいところ」というイメージを払拭したいという思いはありました。実際、そんな風に感じてたりしませんか?
ー寮生の方を前にしてこんなこと言うのは憚られますが、「魔境」だと思ってます(笑)
ですよね…。恵迪寮はあまりいい印象を持たれてないんですよ…。(笑)
寮生としても決して悪く思われたい訳ではないので、まずは地域に何か恩返しをすることでイメージを改善できないかと。
また、恵迪寮は多くの方からのご支援の下に成り立っているのでどうにかして恩返しをしたいという風に考えていたんです。
寺子屋恵迪の活動のルーツはここにあります。もともとは2019年の夏ごろから有志の寮生が始めたもので、委員会として発足したのは2020年からなんですよ。
ー地域に向けての活動であれば他にもいろいろありますが、学習支援を選んだ理由は?
学習ボランティアが自分たちのアイデンティティを最も発揮できる場だと考えたからです。
というのも、「経済的にあまり余裕がない中で勉強をする」ということに、少なからず近い思いをしてきた自分たちの経験が役に立つのではないかと。
また、子供に関わりたい人が寮生に多かったことも含め、学生という立場上子供と良い関係は築きやすいのではないかとも考えました。
”無償”へのこだわり
ー寺子屋恵迪は無償で利用できると聞きましたが…本当ですか?
はい!ご利用いただいた方からお金は頂いていません。
なので、広報のためのポスター代や交通費など経費のほとんどは寮の自治会費を使用しています。
ー寮を挙げての取り組みなんですね!
そうですね。活動も寺子屋恵迪の委員に絞るのではなく、寮生全体で取り組んでいきたいと考えています。
実際に50人以上の寮生がこの活動に意欲的だということが把握できているので、なるべく多くの利用者の方がいらっしゃってくれればと思っています。
ーコロナ禍ではどのように活動なさっているのでしょうか?
対面での実施ができないので、オンラインでの実施になってしまっています。
そのため、もともと小学生がたくさん利用してくれていたんですが、今はあまり対応できていないのが現状です…。
オンラインでの学習環境を整えることも今後の課題ではありますね。
寺子屋恵迪が目指すもの
ー寺子屋恵迪が目指すものとは何なのでしょうか?
小さな範囲で言えば、この活動が広まって、少しでも多くの人に利用してもらえること、そして子どもの将来の選択肢が増えることですね!
ちなみに年齢での制限は設けていないので、お子さんだけでなく、大人の方も利用されているんですよ!
この前も、大学進学をせずに、独学で学んでいる方がいらっしゃって、哲学についてのお話を一緒にしました!
ー分け隔てなくサポートしているというのはまさに遠友夜学校の再興ですね!
そうですね!たまに自転車の乗り方を教えたり、キャッチボールの相手をしたりなんてこともあります。(笑)
寺子屋恵迪が段々と浸透してきていることが感じられてうれしいですね。
活動のゴールとして本当に大きなものを言ってしまえば、
「貧困がなくなること」「恵迪寮が社会から必要とされること」です。
子供たちが学びから離れてしまわないように、また、地域の方々に恵迪寮が愛されるように、この寺子屋恵迪の活動をさらに頑張っていきたいと思っています。
社会に対して何ができるのか。
北大で学ぶことができる私たちだからこそ考えるべきこのテーマに、伊藤さん、そして寺子屋恵迪のみなさんは真摯に向き合っているのだと感じました。
寺子屋恵迪がこれまで以上に多くの方に広まることを願っています!!
伊藤さん、ありがとうございました!!
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最後に寺子屋恵迪の各種リンクです。
現在はコロナ禍で思うように活動できないため、広報活動に力を入れているようです。
公式ホームページで連載されている「俺の道」はぜひ一読されることをオススメします。人の数だけ物語があるんだということを実感できてとても面白いです!!
○公式ホームページ https://terakoyakeiteki.amebaownd.com/
個別の学習サポートを利用したいという方は公式ホームページ内の申し込みフォームからお願いします!!
※毎週水曜日に行われている「てらサポ」は申し込み無くご利用できます!!気軽にご参加ください!!
○Instagram terakoya_keiteki
○Facebook https://www.facebook.com/kubo.keiteki
○Twitter @terakoyakeiteki