ドブリーデン!
チェコの田舎町から、野口峻太朗と申します。
東京生まれの九州育ち、雪とは何ぞやということで、のこのこと北上し北海道大学に入学させていただきました。よろしくお願いします。
僕は今、チェコのヴォドニャニーというところに、2015年の9月から今年の7月まで約10カ月の部局間留学として勉強しています。
水産学部で、かつ学部の留学にも関わらず行き先がチェコと決まって「…海なくね?何しに行くの?」と聞かれます。
いい機会ですので紹介しますが、水産学部のみんながみんな、遠い函館の地で漁師のような生活をしているわけではありません。
特に僕の所属している資源機能化学科の生徒はほとんどといっていいほどに船に乗りません。なんなら他学科に比べ、自分は水産学部であって水産学部だと認めていない人多めです。
それでは、留学に至った経緯から順をおってお話ししたいと思います。
そうだチェコに行こう
僕は総合理系という制度によっていろいろあって水産学部に移行しました。
まぁいろいろあったと言っても、1年の終わりに希望の学部をネットで提出する締め切りの日までぎりぎりまで悩んでいた僕は、その締め切りの日になぜか札幌から彼方40㎞先の緑豊かな支笏湖にいました。「よし、薬学部かな」と決めたときに僕のスマホはもう圏外でした。北海道ならではですよね。冬の雪よりも試される大地とはことのとかと思いました。 なんだかんだで水産学部になりましたが、でもそのおかげで海洋生物のすごさを知ることができたのでいいです。
でも自分はポジティブなのか、その事実を受け入れたくなかったのかはわかりませんが、水産界の東大でしょ?どうせなら水産学部でしかできない経験をしよう!と考えていました。
そのことと、留学を決めたのが二年の夏ということがあり、比較的手続きが簡単な部局間留学(大学間ではなく、学部間で提携している大学への留学です)を選択しました。
ちょうどその時期に留学アドバイザーである清水宗敬先生の授業を受講していたため相談に行きました。
清水先生は「具体的にどこの大学へ行きたい!」というものがなかった何も考えていないアホンダラ小僧の僕にもたくさんの選択肢を紹介していただきました。
僕は優柔不断で緊張しく、服を買いに行った際には選ぶのに時間がかかります。そのせいで店員に試着を勧められ、断れずに服を試着すると緊張して汗を大量にかくので購入になります。
そんな僕ですが、そのときは違いました。
ヨーロッパであること、研究室に配属されること、日本人が少ないところ、物価が安いことからチェコの南ボヘミア大学に惹かれ、留学先をそこに決めました。
ちなみにそのときはチェコが内陸国とは知りませんでした。水産学部失格とか言わないで
ちょっとここでこのプログラムのいいとこ、悪いとこを紹介したいと思います。これを読んでいる水産学部の人が行きたいと思ってくれたら幸いです。というか、留学体験記には文系の人が比較的多いので理系の体験記として役に立てればいいかなって思ってます。
【いいところ①】研究室配属
まず僕にとって一番惹かれたのは研究室に配属されるという点でした。
僕は希望した研究室が人手不足だったこともあり、お手伝いさんではなく戦力として迎えてもらいました。 やっていることとしては、魚種ごとに餌や保存期間により肉の質、味、酸化レベルや組成などの調査。また、もう一つの実験として、カドミウムなどの重金属に対し魚の脂肪酸、みんなもよく聞くDHAやEPAがどのように働くかということを調べました。 要はお魚くんのすごさを証明するってことをしてます。ぎょぎょっ!!
【いいところ②】ヨーロッパの街並み
チェコは中央ヨーロッパで、街並みがきれいです!!
更に、チェコからたくさんの国に行けます!知ってます?ドイツやポーランドに隣接しているんですよ。
バスや安い電車で多くの国を周れるため旅行好きにはたまらないでしょう。
【いいところ③】お待たせいたしました。美女美女美女
美女が多い。皆さんも聞いたことあるのではないでしょうか、チェコ美人。
わかってます、わかってます。もはや「○○美人」はどこにでも存在しますよね。
博多美人や札幌美人の真相をこの目で確かめてきた僕が言います。チェコ美人は本物です。いやいや、僕が女性ばかり見ているわけではないですよ。チェコは女性の方が多い(気がする)んですよ。
これ。僕の彼女です。嘘です。
チェコの女性は四つのグループに分けられています。一つはスタイルよくてカワイイ娘、二つ目は太っている娘、三つめは太っていてカワイイ娘、四つ目はおばあちゃんです。(野口調べ)てかヨーロッパの人とアジアの人は顔のつくりが違いますからね。こんなこと言っていますが僕はアジアンビューティーのが好きです。
金髪彼女ができなかった言い訳ではありません。
【いいところ⓸】物価が安い
物価が安い。チェコは他のヨーロッパに比べて物価が安いです。チェコといえばビールでもありますが、生ビール500mlが一杯21~25コルナです。高いときで1コルナ5円を超えるのでだいたい100円~125円ってとこでしょうか。またビールの種類も多いです。その土地には地元のビールがあって地元の人は地元のビールを愛します。
学食も25~65コルナくらいで食べることができます。
まとめ
このプログラムの悪いところ?はですね、えーと水産学部だけ隔離されているところです。メインキャンパスからは30㎞程離れた田舎町にキャンパスはあります。北大も札幌のメインキャンパスから300㎞離れた函館に水産のキャンパスはありますよね。
何故でしょう、どこの大学でもメインキャンパスに水産学部をおいたら魚臭くなるとでも思っているんでしょうか。いや、わかってます、地理的にですよね…んじゃ農学部は帯広にでもキャンパスを構えますか。ごめんなさい、嘘です。
このプログラムの最大の欠点はプログラム自体が始まって3年ほどなので、内容がしっかり組まれているわけではないということです。しかし、自分から動けばいろいろさせてもらえます。
プログラムの当初は「やることないなぁ、なんで何もしてくれないんだろう」と完全に受け身でした。しかし、時がたつにつれて勉強は本来そうではないということに気づかされました。そもそも学生は勉学が本分で、、、などと語るつもりはありませんが、その時に自分から学びたいと思って働きかけることができました。
日本では実験の内容もあまり把握しないまま参加し、言われたことをしていた学生実験も、事前に手順を確認し、なぜぞの操作をするのかを考えていくだけで実験中に考えることが多くなりました。つまらないと思っていた論文もそこで役に立つんだなと。
と、まぁ長くなりましたがこんなところです。なんかこのプログラムというよりチェコのいいとこだった気もしますが。
いいプログラムですよ、ヴォドニャニーは池しかないけれど。お城なんてないけれど。プラハ行のバスも一日数本しかないけれど。星がきれいなんです。
留学を考えている人がいたら理由はなんであれ、してみることをお薦めします。マイナスになることはありません。プラスにしかならないと信じています。
ではチェコ語でアホイ✋