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札幌にミュージカルを | 北大ミュージカルサークル「ハルニレ」

歌・ダンス・演劇。それぞれが融合した総合芸術である「ミュージカル」。

北大生の私たちにとってはあまり身近ではありません。
そんなミュージカルのおもしろさを広めていこうと、設立2年目の北大ミュージカルサークル「ハルニレ」は第2回公演「THE PROM」を3/11(土)に行います。

公演を間近に控えたハルニレさんに、設立からこれまでのあゆみと「THE PROM」へ向けた意気込みをお聞きしました!!

北大ミュージカルサークル「ハルニレ」第2回公演 『THE PROM』

【あらすじ】

この物語は、プロム(卒業パーティー)に出席する予定だったエマが、同性のパートナーを認めないPTAにプロムを中止にされることから始まります。そこにイメージアップを図るブロードウェイの俳優たちも目をつけて…。思惑入り乱れてエマとプロムの結末とは!?

日時:2023年3月11日(土)

昼の部:(開場)12:30・13:00~15:30

夜の部:(開場)17:30・18:00~20:30

場所:札幌サンプラザホール(札幌市北区北24条西5丁目)

入場料:無料

※予め事前登録が必要となります。こちらのフォームよりご登録をお願いします。

https://forms.gle/zKBZTyqWQpCpPxSP7

部員一人のミュージカルサークル

「北大ミュージカルサークル ハルニレ」は現在設立2年目。

コロナ禍で多くの学生サークルが苦慮するなか、北海道大学経済学部3年生の高橋さんが立ち上げました。ミュージカルの公演には最低でも10人以上が必要だそう。しかし高橋さんは誰かとではなくたった一人でサークルを始めたというのです

ミュージカル愛恐るべし。

コロナ禍でのたった一人での立ち上げ。その裏には逆境さえも追い風にしてしまう高橋さんのバイタリティがありました。そしてメンバーが増えてきた今、高橋さんはハルニレでの活動を通してある「野望」を抱いています。

「ハルニレ」代表の高橋学永さん(経・3)

高橋:

当時、札幌にはミュージカルができる団体はありませんでした。札幌は演劇は盛んなのですが、劇団四季が撤退してしまうなどミュージカルの地盤は弱いんですよね…。

「なら作るしかないな」ということで、関東・関西の大学のミュージカルサークルの方にお話を聞いて回りました。完全に手探りの状態で何が必要なのかもさっぱり分からなかったので。

ーないなら作ろうと思えちゃうのがすごいですね…。これまでもミュージカルをされていたのでしょうか?

いえ、完全に未経験者ですね(笑)

ミュージカル自体は好きで何度か公演を見に行ったりはしていましたが、歌もダンスも演劇もやったことがありませんでした。今回の公演では僕も出演しますが、立ち上げ当初は出役になるつもりはなく、裏方をやるつもりでした。

インタビューは練習の合間を縫ってご協力いただきました。

ー経験もない中、そこまでしてミュージカルをやろうと思ったのはどうしてなんでしょうか?

とにかくミュージカルが好きという気持ちが原動力でしたね。また、一人で始めたので背負うものが何もないというのがかえって好都合でした。失敗しても迷惑をかける相手がいないので(笑)

他大学のサークルの方々に応援してもらえたことも、とても力になりました。一人でミュージカルサークルを作るという物珍しさもあったのかもしれませんが、親身になって対応してくれました。

TwitterのDMで主にやり取りしていたのですが、出身地である大阪に帰省した際には見学もさせていただきました。今年に入って、帰省して再びそのサークルを訪ねた際に、当時のことを覚えてくださっていてすごくうれしかったですね。

追い風も向かい風も吹くコロナ禍

ーコロナ禍では、伝統ある部活・サークルでさえも対面活動ができずいかに存続させるか苦労していました。そんな状況下でつくられ、規模を拡大していった「ハルニレ」ですが、一体どのようにしてメンバーを集めたのでしょうか?

高橋:

コロナ前の新歓(新入生歓迎会の略)であれば、新入生を部室に呼んで実際に活動を見せて勧誘することがほとんどだったと思います。。なので部員が一人しかいない「ハルニレ」みたいなサークルでは、メンバーを集めるうえで絶対に不利だったはずです。

ですが、オンライン新歓だったのが有利に働きました。オンラインであればサークルの規模に影響されずに新歓を行えます。普通だったら一人しかいないサークルに入ろうとする人なんていなかったと思いますが、サークル紹介のパワポにポジティブなことをたくさん盛って半ばだますような形で人数を増やしていきました(苦笑)

現在の部員は約30名

また、メンバーが少しずつ増えてくると、今度はSNSを本格的に運用し始めました。メンバー集めはもちろんですが、観客を集めるうえでも宣伝をしっかりと行うのは重要だと感じています。

ーたしかに「ハルニレ」の広報は積極的で投稿の質も量もしっかりしていますよね。苦労した点はなかったのでしょうか?

メンバー集めという点ではオンラインのメリットがありましたが、対面での活動は制限されていたので、やはり対面で活動できるようになるまではモチベーションの維持がとても大変でした。しかし、そんな中でもメンバーから自主的に「練習するぞ!」という声が上がり、なんとか乗り越えることができたと思っています。

設立当初の自主的な雰囲気は今もたしかに続いていると感じました。練習中はもちろん、休憩中もお互いに声を掛け合うメンバーの皆さん、とても素敵でした。

未経験者こそ楽しめる場に

自身もミュージカル未経験だった高橋さん。メンバーたちも「ハルニレ」で初めてミュージカルに触れるという人が多いと言います。

高橋:

合唱やアカペラなど歌唱系のサークルやダンス、演劇をやる団体はたくさんあります。

しかし、ミュージカルをやっているところはありません。なので「ハルニレ」がやらないと北海道の大学生がミュージカルに触れる機会がないのではないかと思います。「ハルニレ」の存在意義はそこにあるのかなと。

普段の練習でも経験者に支えてもらいつつ、未経験者にもわかる練習を心がけています。僕自身の思いとしては、「ハルニレ」はミュージカルをやったことがない人がその楽しさや面白さを感じられる場になればいいなと思います。

また、「ハルニレ」は3割ほどが北大以外の大学のメンバーです。所属する大学にこだわらず、メンバーを募集しています。

実は高校生の方から入りたいというお声を頂いたりもしていて…
現在、練習の時間帯などの関係で高校生は受け入ることができないのですが、その子たちが大学生になるまで団体を続けていきたいなと感じました。

「札幌にミュージカルを」

札幌演劇シーズンをはじめ、演劇の盛んな都市である札幌。
しかしミュージカルとなると身近ではなく、プロの公演は来ても仙台まで。津軽海峡を越えて来てはくれないのです。

高橋:

1年目は、とにかく一度公演をするということを目標に活動していました。2年目の今年はサークル全体の底上げと、より質の高い公演を目指しています。さらに、「ハルニレ」があることでミュージカルの文化が札幌に根付いてくれると嬉しいです。そのために今後は大学内外の団体さんと交流を増やしていけたらと思います。札幌では劇場もそこまで多くないので同じ日程にかぶることもほとんどありません。なので公演は牌の取り合いではなくて、相互協力だと思います。何かの公演を観に足を運んでくれたお客さんは別の公演にも参加してくれると思うのです。

About 凹タ

JagaJaga編集長