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札幌にミュージカルを | 北大ミュージカルサークル「ハルニレ」

今回は代表の高橋さんに加え、「ハルニレ」メンバーの中から3人の方にインタビューさせていただきました。
主役であるエマを演じる島田さん、エマに理解を示すトレント役の野田さん、そして脚本と演出を務めた池田さん。「田」のつくお三方に、ハルニレとの出会い、公演に向けての意気込みをお聞きしました。

トレント役:野田 悠太さん

同性のパートナーとプロムに参加しようとしたところ、PTAにプロム自体を中止されてしまったエマ。そんな彼女に理解を示し、「ありのままでいいじゃないか」と周囲に訴える売れない俳優トレント。

本作で、エマと周囲に働きかける重要な役どころです。この役を務めるのは野田悠太さん(北海道大学・理学部3年)。野田さんは2年前の設立から「ハルニレ」に参加しています。

少人数での設立から、第1回公演。そしてメンバーが増えて迎える今回の第2回公演。「ハルニレ」の始まりからいたからこそ、公演に一層力が入ります。

野田悠太さん(理・3) 設立以来のメンバー

立ち上げ時からのメンバーの一人である野田さん。できたばかりのミュージカルサークルに入ることに不安はなかったのでしょうか?

野田:以前から歌うことが好きで、入学してバンドに入るかあるいは何か新しいことを始めるか迷っていました。そんな時ミュージカルサークルが新しくできたと聞き、立ち上げに関わるのも楽しそうだと思い「ハルニレ」へ入ることを決めました。不安は全然なかったですね。飛び込んでいくのが好きなので(笑)

ー設立から2年。「ハルニレ」はどのように変化してきましたか?

設立当初の対面での活動ができない時期は苦労しました。
オンラインで活動していましたが、代表以外誰もしゃべらないという日もありました…。対面での活動が解禁されて以降は少しずつみんなが仲良くなっていき、学年関係なく全員が同級生のような雰囲気でした。

第1回の公演を昨年3月にして以降は、その公演を見に来てくれた、歌やダンスを本格的にやっていた子たちが入ってくれました。今回の公演はそうして入ってくれたメンバーが中心になって作っています。

はじめは無名のサークルでしたが、公演をすることで「ハルニレ」が少しずつ大きくなっていくのを感じました。

ー公演に向けた意気込みを教えてください!

今回の公演は五感で楽しめる作品になっていると思います。
迫力あるダンスやワクワクするような歌。難しいことを考えずにありのままのショーを楽しんでほしいと思います!!

脚本・演出:池田 瑛人さん

「THE PROM」の脚本・演出を務める池田瑛人さん(北海道大学・文学部2年)。
今回、150ページにも渡る脚本を書き上げました。脚本づくりにはミュージカルならではの困難があると話します。

池田瑛人さん(文・2) 今回の公演「The PROM」で脚本・演出を務める

ー脚本づくりの経験はあったのでしょうか?

池田:

高校の時に趣味で映画を撮ったりはしていましたが、本格的にやったことはありませんでした。前回の公演も今回の「THE PROM」も0から物語を作っているわけではなく、英語の原作を翻訳しています。いずれは完全オリジナルの作品を作ってみたいなと思っています。

ー「THE PROM」の脚本ではどのような点に苦労しましたか?

翻訳するにあたって難しかったのはセリフよりも歌詞でした。英語の歌詞で一つの単語に一音が当てはめられていても、日本語に訳すと同じようにはいきません。歌のリズムにも合わせて言葉をあてはめなければならなかったので大変でした。これはミュージカルならではの苦労だったと思います。

ー池田さんは演出も担当されているとのことですが、今回の「THE PROM」ではどのような点を重視したのでしょうか?

「THE PROM」はコメディチックで、使われる楽曲も非常に楽しい作品なのが特徴ですが、扱っているテーマはセクシャルマイノリティについてです。演者には当事者の気持ちをしっかりと想像して大事に演じるよう伝えています。

また、「ミュージカルは総合芸術」とよく言われます。いろいろな要素が全部そろって作品になります。セリフではなくあえて歌うのは、歌じゃないと伝えられないものがあるからだと思います。今回の公演では、作品のメッセージと総合的なエンタメ性がしっかりと伝わればと思います。

エマ役:島田 結衣さん

お待たせしました。
主役エマの登場です。(ババン…!)

エマを演じるのは「ハルニレ」内では数少ないミュージカル経験者の島田結衣さん(北海道大学・法学部2年)。

島田結衣さん(法・2)「The PROM」で主演エマ役

「ハルニレ」内では数少ないミュージカル経験者の島田さん。今回の公演では主演のエマ役を務めます。

ーミュージカルはいつからやられていたのでしょうか?

島田:

関東の地元でミュージカルをやっている団体に参加し、活動していました。中学生の時には演劇部に入っていたりと、いままでも継続してお芝居をすることに触れてきました。それで大学でも舞台やお芝居に関わることがしたいなと。

ハルニレの存在は入学後に知ったのですが、今年度入ってみてメンバー同士の仲の良さにびっくりしました。こういうサークルってもっと上下関係バチバチかと思っていたので(笑)

ーミュージカルの経験者は少ないとのことですが、どのようにして練習を進めているのでしょうか?

自分は経験者なので、いろいろと質問してもらえることが多いですね。

自分の持っている精一杯を返そうと思っています。人によってどのような言葉だったら受け取りやすいか違うはずなので、その人にあう表現の仕方で伝えられるよう、どうやったら一番伝わりやすいかということをいつも考えています。

全体としてはもっともっと濃密な練習をできるようにしたいですね。見ている人にパワーを与えられるエネルギッシュな団体になれればいいなと思います。

ー今回は主演です。どのような公演にしていきたいですか?

「THE PROM」はアンサンブルと呼ばれるメイン以外のキャストも輝ける作品だと思います。なので一人一人が輝くような舞台を作りたいです。

私自身は主演を演じさせていただくので、演じる「エマ」が伝えたい思いを観客のみなさんに十分に伝えられるようにこれからも練習していきたいです。


メンバーそれぞれの想いを乗せた「ハルニレ」第2回公演「THE PROM」。

3月11日(土)、北24条のサンプラザホールにて入場無料(要事前登録)でご覧いただけます。

日時:2023年3月11日(土)

昼の部:(開場)12:30・ 13:00~15:30開演
夜の部:(開場)17:30・ 18:00~20:30開演

場所:札幌サンプラザホール
札幌市北区北24条西5丁目
地下鉄南北線「北24条駅」から徒歩3分

入場料:無料

※公演をご覧になるためには予め事前登録が必要となります。こちらのフォームよりご登録をお願いします。!!

https://forms.gle/zKBZTyqWQpCpPxSP7


編集後記

「ハルニレ」さんとの出会いは2年前に遡ります。JagaJagaで私(久保田)が中心となり企画したオンライン新歓に参加してくれていたのです。北大にミュージカルサークルなんてあったっけ?不思議に思い話を聞くとどうやらつい最近作った、とのこと。

オンライン新歓の時点ではまだメンバーはいませんでした。「一人でも大人数のサークルも同じ土台に乗れる」オンラインの強みを活かしていました。

「JagaJagaさん、一人入ってくれました!一人目のメンバーです!!」企画後にそう話してくれた高橋さんの喜びは画面越しにも十分に伝わりました。

あれから2年。
第1回公演にこぎ着け、さらにメンバーを増やし盛り上がっていくさまをSNSで見ていました。そして今回第2回公演に向けて取材させていただくことになったのです。

「ハルニレ」さんの良さは練習の合間にこそ現れていました。誰からともなく練習の振り返りをし、常に誰かの歌声が響いています。とても楽しそうですが、それでいて真剣な表情の皆さん。

ミュージカルを作り上げるという一つの共通した目標に向かって、それぞれがそれぞれのできることを出し合っている姿は取材をしていた私たちにも大きなエネルギーを与えてくれました。

これからも見続けたい。推し続けたいサークルがまた一つ増えました。「ハルニレ」さん、ありがとうございました!!

取材・執筆:久保田 健太
写真:平 翔・小室 光大
編集:小室 光大

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JagaJaga編集長