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「お、やりますか」・第115回恵迪寮祭に潜入

 第115回目となる恵迪寮祭が10月28日、29日の両日、北大内の恵迪寮(札幌市北区)で一般公開された。115代目の恵迪寮祭実行委員長を務めた浅井勇人(ゆうと)さん、「僕は恵迪寮が好きだ」とにこやかに語ってくれた。寮生が全身全霊をかけて創り上げた恵迪寮祭を取材した。(永津篤史)

部屋デコ企画・「ネコ」カフェ

  寮祭は、主に特設ステージ上で演劇を行う「座」と、集団生活をしている各居部屋ごとに行われる「部屋デコ」から構成される。また今年は、寮生の有志で作成した映画「裏座」の上映やアイドルによるライブ公演も併せて行われた。とりわけ「部屋デコ」については、一風変わった展示や催しが多く行われている。その中でも、特に目を引いた企画を紹介しよう。

  一つ目に紹介するのは、「ネコカフェ」だ。

すごく可愛いネコ達がいるからと、すれ違った多くの人にお薦めされた。

いざ扉を開けてみると、汗っぽい空気の塊が押し寄せてきた。そんな空気の中、部屋前方の開けたスペースに確かに「ネコ」はいた。4匹のネコたちが、思い思いに毛繕いをし、先客の持つ餌を頬張っていた。ネコちゃんごとに性格差があるのですと、1匹のネコが教えてくれた。テーブルの上には、ツナ缶と思しき紙コップと、チュールや猫缶の値段が書かれたメニュー表。チュールは特に人気で、既に午前中で売り切れてしまったようだ。餌を与えられ喉を鳴らして甘えるネコたちと少し戯れあった後、次の部屋デコに向かった。

部屋デコ企画・「シカ研究会」

 ネコたちの可愛い姿を思いながら、2軒目の部屋デコに向かった。看板には「シカ研究会」と書かれている。一風真面目な雰囲気が漂う部屋の中に足を踏み入れた。

「私たちは、狩猟免許の取得を目指して日々活動に励んでいます」、そう寮生たちは語ってくれた。その後、スライドと共に鹿に関する様々な説明がなされた。キャンパス内に鹿が出没した際に発令される「シカ警報」についてなど、ためになる話が続いた。

 その後、「実際に私たちの普段の活動を体験してみましょう」と声がかかった。テーブルには玩具ではあるものの、重厚感のあるライフルが一丁と標的に向かって放たれる弾丸が置かれていた。「一人二発までです」という声と共に窓が開け放たれた。窓の外には、標的と思しき風船が置かれていた。これがなかなか当たらない。標準はあっているはずなのに、弾が標的へと飛んでくれない。

 諦めかけていたその時、大きなサイレンの音が部屋中に鳴り響き、「シカ警報が発令されました」と部員が声を荒げた。確かに「シカ」がいた。草むらの陰からのぞいている。このボールで狙ってくださいとゴム製のボールを渡された。そのうちの何発かが命中し、しばらくした後、シカは逃げ帰った。

 「最後に、実際の鹿肉を入れたカレーを食べていってください」と部員からカレーライスを勧められた。カレーのスパイスがほんのりと鼻をつく。歯応えのある鹿肉を噛めば、牛肉にも似た深い旨味が口全体に広がった。

 人間は大小様々な命で生かされている、自然に対する深い感謝を再認識した。

部屋デコ企画・「恵迪美術館」

 最後に紹介する部屋デコ企画は「恵迪美術館」「恵迪寮の歴史に、今日の日の思い出を刻んでみませんか」と受付の寮生に勧められた。部屋の壁一面には、巨大な壁面アートが施されていた。「まだ完成途中なんです、あなたが書きたい部分に、絵とメッセージを残していってください」と声をかけられた。

 僭越ながら、メッセージを残させてもらった。恵迪寮という文化がずっと続いてほしい、そのための一助になればと筆をとった。

 恵迪寮と寮祭はこれからも続く、絶対に。

About 永津篤史

「恋」と「法律」に振り回される法学部3年。 「縁」を求めて、今年5月にJagaJagaに加入。 夜はメンヘラ気味になるので、記事はお天道様が出ているうちに仕上げるのが自己流。家系ラーメンが1番の好物。 偉大な先輩方に早く追いつきたい!!