※この作品は連続小説です。近日公開予定。
また、この物語はフィクションです。
Vol.1はこちらからどうぞ。
→https://hu-jagajaga.com/humor/5531
Vol.2 入学後編——4月29日
北大志って、俺のことね。
※登場人物①北大志…北大新入生。本州出身。
4月29日 ———今日は北大生にとって何の日か知っているかい。
昭和の日?それはそうだね。「内地」の小学生だってわかる。
内地って、最近知ったけど、本州って意味で使ってたな。
(新入生あるある〈8〉 本州のことを「内地」と呼ぶ道民が一定数いる。)
そうじゃない。北大生にとって重要な…
え、羊肉の日? 4月29日だからってかい。よーにく、かい。いくら北大生がジンギスカン好きだからって、そんなニッチな記念日あるわけn……(※実在します。)
やっと桜は満開宣言出たし、花見したいジンパしたい。
(新入生あるある〈9〉 北大名物ジンギスカンパーティ通称ジンパは、花見と相性抜群。)
(新入生あるある〈10〉 札幌の桜はGWがピーク。関東以南から来た新入生は1年に2度桜を楽しんでいる。)
違うよな、そうじゃないよな。今日は、北大クラスマッチの日だよな。
※北大クラスマッチとは、北大新入生のみ参加可能な大運動会である。例年、体育館をメイン会場とし、新入生全体を3チームに分け、ダンス等の競技で総合点を競う。クラスの人とは必ず同チームになるため、クラスの人との仲が深まりやすく、今後の大学人生を左右するとかしないとか。
今は、体育館のアリーナ席に腰掛けている。クラスに友達は少しできた。居心地のいいような悪いような。とりあえず最近苗字を覚えた、南と話してみる。
※登場人物②南くん…北大新入生。北とクラスメイト。札幌育ち。
「なぁ、南。緑連合、強すぎじゃないか。逆転は難しそう。」
「だね。それより北くん、上靴忘れた?」
「あぁ…」
聞かないでほしかったなあ!
(新入生あるある〈11〉 クラスマッチで上靴を忘れたことを異常に気にする。)
「そういえば、南って学部どこなの?」
「総理」
「あ、うん。」
「」
(新入生あるある〈12〉理系で学部を尋ねると、大体、総合理系である。質問した人は返答に困る。質問された人は、返答に困っている相手を見て複雑な気持ちになる。「そんな反応するなら聞くなよ」と思う。)
「それにしても、札幌へ来てもう1か月かぁ。札幌っていいよな。北〇条とか西〇丁目とか。住所言われただけで大体の場所がわかる。」
「そー、そうなんさ。」
「(お、出た、これが噂の。)」
(新入生あるある〈13〉 〇条✖丁目の使い勝手の良さ、便利さに感動している。)
(新入生あるある〈14〉 「~さ」は北海道弁だということを、道外出身の人は入学後早々に理解している。)
「ちなみに南の家はどこ?」
「8けん。」
「え?」
「八軒。〇oogle Map出すからちょっと待って。」
(新入生あるある〈15〉 札幌の地域名だ、と理解できない地域名に戸惑う。「平和」、「新川」、「24軒」、「ハッサム」等。)
ふと考えてしまう。
合格後の浮かれた気持ちも落ち着いてきて、新しい友達と少し仲良くなり、イベントにも参加し、一人暮らしも慣れてきてはいるけど。
本当にこんなのでいいのか。
(新入生あるある〈16〉 入学後頑張ってきたが、なぜか不安感がつきまとう。みんな同じである。)
…南、遅いな。どうしたかな。
「通信制限かかっていて、マップが出てこない(笑)」
「あ、そう(笑)」
(新入生あるある〈17〉 入学直後、通信制限にまで気を配れない。)
——結局、緑連合の優勝でクラスマッチは幕を下ろした。
なに、次は学祭の出店だ。頑張ろう。何するのか知らないけど。
(新入生あるある〈18〉 1年生は6月上旬の学校祭に出店をする。出店に向けた話し合いは、クラスの一部の人で進んでしまいがちで、5月下旬まで何も理解していない者もいる。)
—次回予告—
これこれ、あるある…!!!中間試験、学校祭等、まだまだイベントの尽きない新入生。あるあるに溺れる少年の話、第3編。