トップページ > 未分類 > 図書館はつらいよ 純情篇 女性専用席設置の真相

図書館はつらいよ 純情篇 女性専用席設置の真相


今回JagaJagaが取り上げる出来事。それは「北図書館女性専用席設置中止事件」です。YahooのトップニュースとしてやThe Huffington Post、道新などにも取り上げられました。

この事件とは北大北図書館で1月25日、約800席のうち36の女性専用席が設置されたところ複数の苦情・クレームが殺到したことにより即日撤去となったものです。

ネットニュースやtwitterを見ると女性専用席について賛否両論の嵐です。JagaJagaではこの出来事について1月28日にアンケートをとりました。

この騒動が腑に落ちず、事件として未消化のままでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで事件に詳しい北大図書館の関係者お二人に話を伺いました。図書館としてのコメントは報道されている以上のことは無いとのことでしたが、可能な範囲で回答してもらいました。

つかめぬ解決への糸口

図書館関係者によると痴漢被害は去年の夏頃から報告されていたといいます。痴漢被害に遭うとは想像できない、外部の者が簡単には立ち入れない閉ざされた大学図書館で事件は起きました。

※北大図書館では一般の人はカウンターで手続き(申込書に住所、氏名、電話番号を記入し、免許証等を提示)しない限り、利用は禁止されています。

女性専用席設置直前の1月のケースでは、犯人は西棟4Fの個人用閲覧席にいる、勉強に集中し警戒心が薄れた女性を狙い凶行に及びました。隣の席に座り、周囲から手の動きが見えにくい状況を作った上での犯行だったといいます。
これまでに報告されただけでも6件の被害が寄せられています。
しかし、いまだ事件解決には至っておらず学生に与えた不安や恐怖は大きく、無警戒の女性を狙った悪質で卑劣な犯行であると言わざるを得ません。

一連の痴漢被害に関して図書館は相談や報告を受けていますが、一方で被害者が警察に被害届を提出しない限り捜査をすることはできません。仮に防犯カメラ映像など犯人特定に至る証拠を図書館側が見つけていたとしても、捜査権を持つ警察が証拠の提供を図書館に要請しない限り逮捕には至らないのが現状です。

痴漢の犯人が現行犯で逮捕されるというケースも考えられます。
しかし、図書館という警戒心を抱くような場所ではない所で、加えて誰もが周囲に気を留めず机に向かって集中している環境では周りに助けを求めようと、とっさに声を上げることは困難です。自身で犯人を捕まえるということもままなりません。

また、犯人が学生である可能性を考慮すると、今後自分の顔を覚えられて犯人と学内で出くわしてしまうことを恐れ、事件そのものをなかったことにしてしまう被害者も多いのではないでしょうか。

About 越橋 宣之

アバター画像